今年の旧正月は、台湾と中国の友達と一緒に中華料理と台湾料理を作って、ホームパーティーをしました。
「旧正月」とは、昔の暦での1月1日のことです。今と昔の暦では日にちの数え方が違うため、昔の暦である旧暦のお正月のことを「旧正月」と呼んでいます。旧正月は中国、台湾、香港、韓国、ベトナム、シンガポール、マレーシアでは休日になっており、中国と台湾では旧正月のことを「春節」と呼びます。
春節は旧暦のため毎年日付が変わり、1月21日~2月20日の間のある1日を指します。2020年の春節は1月25日(大晦日)で、休み期間は1月24日から1月30日までまでの7連休となります。
日本のお正月と同様に、春節が近づくと人々は年越し用品を買い、大晦日には豪華な食事が食卓に並び、家族揃って夕ご飯を食べます。街の至る所が飾り付けされ、爆竹が鳴り、互いに新年の挨拶を交わし、龍と獅の踊りや縁日が行われます。また「赤」は春節のメインカラーで、道路や建物や家のあちらこちらを赤で飾ります。赤はおめでたい色であり、不幸や災難を防ぐとされることから、春節には赤い下着を身に付けるそうです。
この日のホームパーティーでも、みんな揃って赤色の服を身に付けて祝いました。他にも、旧暦の1日から3日間は幸運を逃してしまうので髪の毛を洗ってはいけないという習俗もあります。
この日のメイン料理は、台湾の鴨の薬膳鍋「薑母鴨(ジャンムーヤー)」です。以前の記事「台湾の冬の定番料理・生姜と漢方たっぷりの鴨の薬膳鍋【覇味薑母鴨】」でも紹介しましたが、台湾の冬の定番の鍋料理です。
薑母鴨に入れる「麻辣鴨血(マーラーヤーシュエ)」は、台湾人の友人がAmazonで調理済みの缶詰を購入してくれました。「鴨血」はアヒルの血を固めて熱湯で茹で上げたもので、「麻辣鴨血」は名前の通り”鴨血”が”麻辣”の辛いタレで味付けされているので、そのまま食べることができます。
総内容量1.7kgの麻辣鴨血の缶詰は、なかなかの圧巻です。
そのまま缶から取り出して食べやすく切り、ニラを散らしました。
見た目はかなりのインパクトがありますが、味自体は全く臭みやクセはなく、ぷるんとしていて食べやすいです。鍋に入れて煮込むと、プルプル感が増して更に美味しくなります。感覚としては、日本の鍋に入れるお豆腐です。
メインの薑母鴨以外にも、たくさんのご馳走が食卓に並びました。
豚の骨付きロースの蒸し料理です。生姜とニンニク、他にも中国の薬膳の調味料を色々と混ぜたタレが食欲をそそります。
フライした海老をパイナップルと一緒に炒めてマヨネーズで和えた、いわゆる”パイナップル入り海老マヨ”は、「鳳梨蝦球」という名前の台湾の定番のパイナップル料理です。甘酸っぱいパイナップルとマヨネーズが絶妙に合います。
中国人の友人がいつもホームパーティーで作ってくれる、特製チャーシューです。特製のタレに豚肉の塊を一晩漬け込み、オーブンでじっくりと焼き上げていました。焼いている間も途中で何度かオーブンから取り出して、表面にタレを塗り直して、丁寧に焼き上げていました。
甘いタレを纏ったお肉がジューシーで柔らかくて絶品です。ご飯が間違いなく進みます。特製タレのレシピは秘密だそうですが、甘みにハチミツを入れているそうです。
炒めた牛肉に辛い麻辣ソースと山椒などの香辛料をかけた、牛肉の麻辣ソース和えです。下には茹でたもやしとエノキが敷いてあり、牛肉と一緒に食べると麻辣ソースがよく絡んで美味しいです。
ブロッコリーとカリフラワーの炒め物です。こういうシンプルな野菜の炒め物の一品料理は、いかにも台湾料理で大好きです。油とニンニクでささっと炒めた野菜は、自然の甘みが引き出されて美味しいです。
最後の鍋の〆には、台湾の「新竹米粉(シンチクビーフン)」という、米の粉を原料に作ったビーフンを入れました。ツルツルとした食感とコシのある歯ごたえで、日本人の好みに合った味わいです。ビーフンがスープを吸い込むので、最後のスープまで余すことなく食べました。
実はこの前夜にも台湾料理を夕ご飯に作って食べたので、最後に少し紹介します。
手前に見える豆腐炒めは、私の大好きな台湾の家庭料理の一つです。油を引いたフライパンに、木綿豆腐の表面をぎゅーっと焦げ目がしっかりと付くまで炒めるだけの簡単料理です。軽く炒めることで豆腐の水分が少し抜けるので、ムチっとした食感になります。左に見える海老のガーリック炒めも台湾の家庭料理で、ニンニクと鷹の爪で海老を殻ごと炒めました。
こういう素材をダイレクトに調理する台湾料理は、当然ながら素材によって美味しくなるので、さすが新鮮な海鮮と野菜の手に入る台湾ならではの料理です。多くの台湾料理は日本にある材料で作れるので、たまに日本での普段の食卓にも並びます。
今年は日本にいながらも、中国と台湾の旧正月を楽しむことができました。いつか現地の旧正月も体験してみたいです!