暑い日が続くようになり、毎日さっぱりしたものを食べたくなりますよね。私は最近リンゴ酢にすっかりハマっていて、炭酸水で割ってリンゴ酢サワーとして飲んだり、サラダのドレッシングとして使ったり、毎日欠かさず摂っています。世界的に広く親しまれているリンゴ酢は、アメリカでは”Apple Cider Vinegar(アップルサイダービネガー)”と呼ばれ、健康志向の人にとっては今や定番の調味料です。
リンゴ酢とは、りんごを絞ってりんごジュースを作り、アルコール発酵と酢酸発酵をさせて熟成させた果実酢で、リンゴの搾汁が1リットル当たり300g以上のものを指します。発酵する段階でリンゴに含まれる糖分のほとんどが消費されるため、リンゴ酢自体には糖分はほぼ含まれておらず、酸味の強さは一般的に使用されている米酢や穀物酢と同じぐらいです。ですがリンゴを原料としているだけあって、フルーティな香りがあり、比較的そのままでも飲み易く、豊富な栄養成分によって健康・美容・疲労回復にも効果があると言われています。
リンゴ酢の美容・健康効果
リンゴ酢には様々な美容・健康効果が期待できます。 実はリンゴ酢の歴史はとても古く、紀元前400年頃には”医学の祖”として有名なギリシャの医師、ヒポクラテスが風邪の治療薬として使っていたという記録も残っています。古来よりリンゴ酢の確かな効果が認められていたということです。
①ビタミンCとクエン酸で美肌効果
健康で美しい肌を維持するために必要な栄養素、ビタミンCとクエン酸がリンゴ酢には多く含まれています。クエン酸で肌の新陳代謝を促し、ビタミンCで生まれ変わった美しい肌を作り上げ、シミやシワを改善する美容効果が期待できます。
②酢酸で血糖値をコントロール
リンゴ酢をはじめとした酢に含まれている酸味成分の酢酸は、胃の中でデンプンを消化する酵素の働きを妨げるため、摂取した炭水化物の吸収を抑制することができます。糖分の吸収速度を遅らせて、インスリン機能を最適化して血糖値をコントロールすることで、糖尿病を抑えて治療する働きがあるとも言われています。
③クエン酸とアミノ酸で脂肪燃焼
リンゴ酢はダイエット飲料としても認知されていますが、その根拠となるのがクエン酸とアミノ酸です。クエン酸には代謝を促して脂肪の燃焼を助けてくれる効果があり、アミノ酸には脂肪を分解する働きがあります。この二つの成分によって脂肪を燃焼・分解させ、ダイエットの効果が期待できます。
④クエン酸で疲労回復
疲れた時、スポーツの後などは”酸っぱいもの”を摂るのが良いと言われています。この”酸っぱいもの”とはクエン酸のことを指していて、リンゴ酢にはそのクエン酸が豊富に含まれています。 例えば、炭水化物をたっぷり摂取しても、それを筋肉がうまく取り込めないと疲労感が抜けず、摂取した炭水化物は脂肪となって蓄えられます。そこでクエン酸は、取り込んだ糖質をグリコーゲンとして筋肉が効率的に利用できるように橋渡ししてくれるので、疲労感を和らげてくれます。またグリコーゲンを効率的に活用することで身体パフォーマンスの向上にも繋がるので、持久力が必要なアスリートでも食前に酢を摂取することがあります。
⑤カリウムで高血圧とむくみ予防
リンゴ酢に含まれている豊富なカリウムは、塩分の排出を助けて血圧を下げ、むくみも減らす効果が期待できます。酢は塩分を減らしたときのもの足りなさを補うことができる調味料なので、塩や醤油の量を減らしてお酢に置き換える使い方がおすすめです。
⑥クエン酸で骨粗鬆症予防
リンゴ酢に含まれるクエン酸には、カルシウムの吸収率を上げる効果があります。 カルシウムは摂取しても何らかの作用で失われたりすることもありますが、クエン酸によって吸収率が上がれば失われることも少なくなり、効率良くカルシウムを摂取することができます。
⑦ペクチンで便秘解消
リンゴ酢に含まれるペクチンという成分は、腸内環境を整えて便秘の解消を助けてくれる効果があります。 また利尿作用もあるので、体内に溜まった老廃物を出すデトックス効果も期待できます。サラダなどと一緒に食べるとさらに効率よく効果を得られます。
リンゴ酢の効果的な摂り方と注意点
血糖値の上昇を抑えるには、1日1~2回、大さじ1杯のリンゴ酢を飲むと良いとされています。お酢には強い酸性を持つ酢酸が含まれているため、飲み過ぎは禁物です。市販のリンゴ酢には濃縮タイプとストレートタイプがあり、濃縮されたリンゴ酢を原液のまま飲むと酸によって食道や胃が荒れる可能性があるため、必ず水や炭酸水などで割って飲むようにしましょう。(酢が胃液の分泌を高めてしまうため胃潰瘍や胃酸過多などの持病がある場合は、飲み始める前に必ず主治医に相談しましょう。)
また、酢に含まれる酸によって歯の表面のエナメル質が溶ける可能性があるため、リンゴ酢を飲んだ後は歯を磨くようにしましょう。ただし、リンゴ酢を飲んですぐに歯を磨くと酸で歯を痛めてしまうため、飲んでから30分以降に歯を磨くようにしましょう。
リンゴ酢の選び方
リンゴ酢には、リンゴ果汁に醸造アルコールを加えて作られている比較的安価なリンゴ酢と、100%リンゴ果汁で作られる純リンゴ酢があります。純リンゴ酢のほうがリンゴ果汁の量が多いため、血糖値の上昇を抑制する効果が期待できますが、毎日継続して飲むことが大切であるため、飲みやすさや続けやすい価格などを考慮して選ぶと良いでしょう。
無濾過のもの
リンゴ酢には透明のものと混濁したものと大きく2つあります。料理に使うならば、よりクセが無い透明のものが使いやすいかもしれませんが、より健康効果を得るために使うのであれば、無濾過で濁った状態のものがおすすめです。無濾過のものは天然の酵素や乳酸菌や繊維質がそのまま残っており、多少のクセはありますが、透明のものとそこまでの味の差はないです。是非見かけたら試してみてください。
非加熱のもの
製造過程で熱が加わると、どうしても身体にとって有益な乳酸菌などが死滅してしまい、ビタミン類も一部損なわれてしまいます。必ず非加熱のものを選びましょう。
オーガニックのリンゴを使用したもの
農薬を多く使用したリンゴは発酵がうまく進まないため、アルコールなどを添加することで強制的に発酵させます。そのため、オーガニックのものより酵素や乳酸菌の含有が少なくなります。無農薬のオーガニックのリンゴは天然の菌の存在もあり、もともとのリンゴ由来の糖分のみで自然発酵が進みます。その結果、酵素や乳酸菌、必須ビタミンやミネラルを豊富に含む良質なリンゴ酢が出来上がります。
私が最近愛飲しているのは、輸入品ショップで購入した「ポメエーグルドゥース」というフランス産のアップルスイートビネガーです。砂糖をいっさい使わず、リンゴの糖蜜とアップルビネガーをブレンドしてじっくり樽熟成させて作られているので、1本にリンゴ約87個分も入っています。
まろやかなリンゴの甘みとフルーティーな酸味のバランスがちょうど良く、ドリンクはもちろん、サラダや魚、肉料理、デザートとも相性抜群です。ビネガー独特のツンとした刺激は少なく、お酢が苦手な方でも飲みやすいです。人工甘味料は一切使用していないので、リンゴ本来の自然な甘みが感じられます。1本(350ml)で3000円ぐらいとお酢としては高価ですが、それだけのこだわりと美味しさが詰まった、ちょっと特別なリンゴ酢です。
こちらは料理用に使っている純リンゴ酢です。主にピクルスやサラダのドレッシングに使っています。ざく切りにしたセロリや人参やキャベツにリンゴ酢を軽く揉み込んで、ビニール袋に入れて半日漬け込むだけで、甘酸っぱいピクルスができるので便利です。惜しみなく使いたいので、コスパの良いものをスーパーで購入しています。
リンゴ酢の美味しい飲み方
リンゴ酢は飲み物に割って飲んだり、料理の隠し味に使ったりと、幅広く生活に活用できます。中でも私が毎日飲んでいるのが、炭酸水で割ったリンゴ酢ドリンクです。リンゴ酢1に対して炭酸水を5~7倍ほどで割ると、すっきり爽やかな味わいになります。先程紹介した「ポメエーグルドゥース」と、ソーダストリームで作った炭酸水で作っています。甘さが欲しい場合は、はちみつを加えても美味しいです。朝の出勤前にコップ一杯飲むと、気分がシャキッとします。
他にも、牛乳や豆乳で割って”飲むヨーグルト風”のドリンクに、紅茶で割ってレモンティーのようなさらっとした味わいに、など色んなドリンクのアレンジに応用できます。また料理には、ピクルス、ポテトサラダ、肉のタレ、煮物に入れたり、私は納豆にリンゴ酢を大さじ一杯入れる”酢納豆”に最近ハマっています。付属のタレをかけるよりもヘルシーでさっぱりして美味しいです。
このように、リンゴ酢には身体に嬉しい様々な効果があることが分かっています。リンゴ酢は手軽に買えて使い方も便利なので、無理なく生活に取り入れて、暑い夏を乗り切りましょう!