普段よく耳にするタンパク質やプロテインですが、体に必要な栄養素だということはなんとなく、実際どんな働きをしているのか知っていますか。1日に摂るべきタンパク質の目安は、体重1kgあたり0.8〜1.0g、つまり体重50kgの女性は40〜50gです。女性にとって大事な栄養素であるタンパク質ですが、「食べないダイエットが健康」というイメージが先行してしまっているせいか、その半分も摂れていない人が多いのが現状です。今回の記事では、タンパク質が身体の中でどんな役割をしているのか、どうしたらより効率良く摂取できるのかなど、詳しく紹介していきます。
タンパク質とは?
タンパク質は、炭水化物・脂質と並ぶ三大栄養素の一つで、骨や筋肉、皮膚、髪の毛や爪、臓器、血液、ホルモン、酵素に至るまで、体の大部分を作っている重要な栄養素です。タンパク質にはいくつか種類があり、それぞれ体への働き方も異なります。
動物性タンパク質
動物由来のタンパク質のことで、肉や魚などの動物から摂ることができ、卵や牛乳にも含まれています。タンパク質は細かく分類すると、ホエイ・カゼイン・卵白・大豆たんぱく・小麦たんぱくの5種類に分けることができます。この中の、ホエイ・カゼイン・卵白が動物性タンパク質と呼ばれるものです。動物性タンパク質は必須アミノ酸を多く含んでいます。アミノ酸は他の栄養素から自力で生成することができますが、必須アミノ酸は自分で生成することができず、栄養分として摂取しなければなりません。ただし脂質が多いものもあるので、肥満や生活習慣病に注意しながら摂取する必要があります。
植物性タンパク質
植物に含まれているタンパク質のことを言い、5大タンパク質の中の大豆たんぱくと小麦たんぱくが植物性タンパク質にあたります。脂質が少なくヘルシーなものが多いです。大豆たんぱくとは、大豆に含まれているタンパク質のことで、肉や魚に負けないくらいのアミノ酸を摂取することができると言われています。小麦たんぱくは小麦に含まれるタンパク質です。植物性タンパク質は脂質を摂り過ぎずに必須アミノ酸を摂取できますが、植物性タンパク質には必須アミノ酸のすべてが含まれている訳ではないため、動物性タンパク質とバランス良く摂ることが大事です。
タンパク質の効果とは?
食材によって摂取できる必須アミノ酸が異なるので、期待できる効果もそれぞれ違ってきます。例えば、鶏むね肉にはリジン・ロイシン・イソロイシンという必須アミノ酸が含まれていて、成長を促進したり神経の働きを高めるといった効果が期待できます。他にも、卵は抗うつ状態の改善、大豆は疲労回復やコレステロールの低下などが期待できると言われています。
また美容的な観点では、体の土台をつくるタンパク質は、肌のコンディションと密接な関係があり、筋肉量が増えることで血流もよくなり、体調もよくなり、いわゆるアンチエイジング効果があります。タンパク質は女性こそ積極的に摂るべき栄養素なのです。
タンパク質が不足するとどうなる?
女性は美と健康を意識するあまり、野菜中心に偏りやすく、タンパク質不足に陥りがちと言われています。そんなタンパク質が不足すると、様々な支障がすぐに現れます。皮膚や爪のダメージや疾患、冷えや貧血などに加え、女性に多いむくみのほとんどはタンパク質不足が原因だそうです。意外と知られていませんが、ビタミンやミネラルも、タンパク質があってこそ栄養素として働くのです。また、タンパク質が不足すると、糖質と脂質メインの食事に陥りやすくなります。そうすると、摂取カロリーの割には栄養が足りていないので、食べているのにお腹がすいて間食してしまい、太りやすく痩せにくい体になってしまいます。
筋肉量の低下
必要なタンパク質が不足すると、体に必要なエネルギーが確保できなくなり、自分の筋肉を分解して必要なエネルギーを作り出そうとします。筋肉量が減ると代謝が落ち、タンパク質の多い食品を避けたがために、ダイエットをするつもりが逆に太りやすい体になってしまう恐れがあります。筋肉量を保つためにも、タンパク質を意識してバランスの良い食事を摂るようにしましょう。
肌や髪のトラブル
肌のハリツヤを維持しているのは、コラーゲンです。このコラーゲンもタンパク質から作られているので、タンパク質が不足するとコラーゲンが減少してしまい、肌トラブルを引き起こしたりシワの原因に繋がることもあります。髪の毛も大部分がタンパク質で構成されているため、タンパク質が不足すると髪の毛のツヤがなくなったり、薄毛に繋がることもあります。
集中力の低下
タンパク質に含まれるアミノ酸は、神経伝達物質を生成しています。その中のドーパミンという物質は人をやる気にさせ、セロトニンという物質はリラックスさせる効果があります。つまりアミノ酸が不足すると、やる気が出なくなったり思考力が低下してしまうことがあります。
タンパク質の過剰摂取にも注意!
とは言え、タンパク質が豊富な食事には高カロリーなものも多く、過剰摂取すると肥満に繋がる恐れがあります。さらに、腸内環境にも影響がでると言われています。体に吸収されなかったタンパク質はそのまま腸にいきますが、腸内に送られたタンパク質は悪玉菌を増殖させる原因となってしまうので、腸内環境が乱れやすくなります。体に吸収されなかったタンパク質を分解するために、他の臓器にも負担がかかることがあるので、自分の臓器に負担をかけないためにもバランス良く摂取するように気をつけましょう。
タンパク質を補うには?
タンパク質は、ビタミンやミネラルと違い、体内でつくることも蓄えることもできないので、こまめに食べ物から摂取する必要があります。タンパク質が体内に行き渡り、フェイシャルに効果が現れるのは6週間、体全体では12週間、末端である髪や爪へ効果が出るには3ヶ月が目安です。毎日の食事を改善して、タンパク質を摂る習慣を身に付けましょう。
タンパク質を効率よく摂取できる食べ物
肉や魚といっても、種類によってタンパク質の含有量が違うので、より高タンパクな食品を紹介します。
【肉類】
生ハム、鶏ささみ、牛もも肉、豚ロース、鶏砂肝
【魚介類】
イワシ、いくら、焼きたらこ、するめ、かにかまぼこ
【卵類】
卵黄、ゆで卵、ウズラ卵生、生卵、卵白
【大豆製品】
きな粉、油揚げ、納豆、厚揚げ
【乳製品】
パルメザンチーズ、脱脂粉乳、プロセスチーズ、カマンベールチーズ
サプリメントやプロテインで補う
食事でバランス良くタンパク質を摂取する自信がない方や、効率良く摂取したい方は、アミノ酸のサプリメントやプロテインがおすすめです。プロテインとサプリメントを両方使って、摂取したいアミノ酸を選んで摂取することもできます。プロテインは9種類の必須アミノ酸を含む20種のアミノ酸をまんべんなく摂取することができ、プロテインの種類によっても摂取できるアミノ酸が違うので、成分表をよく読んで購入するようにしましょう。また、プロテインは吸収までに時間がかかるものもあるので、持続性を求める方におすすめです。即効性を求める場合はアミノ酸のサプリメントがおすすめです。
次の記事では、私が実際に毎日愛飲しているプロテインドリンクとその飲み方の紹介をします。