「人間の魅力は内面から出るものです」と言われても、ありふれた決まり文句にしか聞こえないかもしれませんが、健康的な肌作りに関するとなると、実はかなり的を射ているのです（そして残念ながら、多くの人がきちんと理解できていないのです）。加工食品が吹き出物を引き起こし、砂糖が肌の早期老化をもたらす可能性があるのと同様に、ある食品は肌にその逆の”良い健康効果”をもたらすこともあるのです。私たちの身体は毎日の食べるもので作られているので、当然ながらダイエットと美容は相伴います。健康的でバランスの取れたライフスタイルを作り上げる食材は、若々しい肌をもたらし、私たちを内側からも外側からも活き活きと輝かせてくれます。
”美容食材”という言葉は今やあまり画期的には聞こえないかもしれませんが、健康的な肌はスーパーの青果コーナーで十分に仕込むことができるにも関わらず、現実には、多くの人が高級な美容液やトリートメントに給料の半分を費やしています（これは本当にお金がもったいない！と声を大にして伝えたいです）。早速、今回紹介する食材を今週のスーパーの買い物リストに追加して、活き活きとした健康肌にワンランクアップしましょう。
1. アボカド
SNSで人気のアボカド写真の投稿は、その”映える見た目”だけでなく、身体にとっても良いです。アボカドは、肌の柔軟性と保湿力を保ってくれる多価不飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸といった、健康的な脂肪酸を豊富に含みます。一価不飽和脂肪酸は皮膚の表面の保湿力を保ち、多価不飽和脂肪酸は紫外線によるダメージから肌を守ります。さらに、フリーラジカルによる肌ダメージから守ってくれるビタミンC、ビタミンE、カロチノイドといった抗酸化物質も豊富に含みます。保湿されたキラキラと輝く美肌作りに、ミレニアル世代に愛されるフルーツ（そう、アボカドはフルーツです！）をたくさん食べましょう。
2. トマトペースト
パスタが好きな人、朗報です！マンチェスター大学とニューカッスル大学の研究によると、毎日トマトペーストを大さじ5杯ほど食べると、有害な紫外線から肌を守る力が向上することが分かっています。これは、トマトを赤色に染めることで知られている、抗酸化物質のリコピンのおかげです。小さい頃からお母さんに日焼け止めを塗るように言われていることからも知っている通り、紫外線対策は、皮膚ガンのような深刻な症状を予防するだけでなく、早期老化やシミの対策にもなります。そのため、UVダメージから守ってくれる食べ物はどれも美容食材と言われるわけです。ではなぜトマトペーストなのかと言うと、トマトは加熱することでリコピン量が増えるからです。毎日のメニューの中でトマトソースを積極的に取り入れましょう（ただし日焼け止めも忘れずに）！
3. レモン汁
流行りのデトックスウォーターを自作する理由がもう一つ、レモン汁はビタミンCが豊富です。ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、細胞を傷つけるフリーラジカルを無効化してくれる抗酸化物質として、体内で作用します。さらにレモン汁は酸性でありながらも、身体の中でアルカリ化する作用もあり、体内のpHレベルを調整してくれます。体内のpHレベルの調子が悪いと、肌は敏感になり、炎症を起こし、ニキビができやすくなるので、pHレベルを調整することで健康的な肌をもたらしてくれます。言うまでもなく、水にレモン汁を加えると水分摂取量が増え、これはスキンケアにはとても大切なことです。
4. ニンニク
ニンニクはこんがり焼いたパンとの相性が最高なだけでなく、美肌のためにも積極的に摂りたい食材なのです。ニンニクにはアリシンという天然由来の化学物質が豊富に含まれ、消化される段階で有害な細菌を対峙してくれます。これはニキビだけでなく、他にも肌の感染症を引き起こす原因となる細菌に対しても有効です。もしもニキビによって完璧な肌への道のりが遠のいているのであれば、体内からの体質改善のために、食事にニンニクをもう少し多めに加えてみてはいかがでしょうか（もちろん、お腹が痛くならない程度にね！）。
5. サツマイモ
美容液やフェイスマスクが絶えず欠かせないという人が多いですが、そこはサツマイモフライをかじるだけでも十分なのです。とまあ、冗談はさておき、一般的な白いジャガイモの代わりになるオレンジ色のサツマイモは、βカロテンが豊富で、これは体内でビタミンAへと変換されます。スキンケア中毒の人ならば、ビタミンAの変化形の ”レチノール”という言葉を知っているでしょう。サツマイモのような食品から摂れるビタミンAは、肌細胞の成熟を促すことで、肌のターンオーバーを助けてくれます。これはつまり、シワが少なくなり、肌の透明感が上がり、顔色が明るくトーンアップするということです。
6. ブルーベリー
スキンケア商品のボトル表示や皮膚科医から、肌ツヤのためには抗酸化物質がいかに大切であるかは知っているでしょう。抗酸化物質は肌の健康を保つのに最も重要な因子の一つです。ブルーベリーは、この抗酸化物質を最も手軽に取り入れられる食材の一つです。小さい頃に夏に採っていた甘くて小さなブルーベリーは、抗酸化物質の王様なのです。日常的に手に入るフルーツや野菜の中で、ブルーベリーは最も抗酸化物質レベルが高く、栄養豊富なだけでなく、肌を輝かせてくれるのです。
7. 葉野菜
当然ながら、葉野菜も健康的な肌作りにおすすめです。特にケールとホウレンソウは、皮膚の炎症を解消してくれる強力な抗酸化物質が種類豊富に含まれています。コラードグリーンやホウレンソウやケールといった葉野菜は、肌色を均一に調整してくれるゼアキサンチンという抗酸化物質を含みます（漫画のキャラクターですが、ポパイがきれいな肌だったのも当然ですね！）。最大限の美肌効果を得るためには、最低でも1日の中の2食には葉野菜を加えるように心がけましょう。
8. フラックスシード
フラックスシードのように、オメガ3脂肪酸と食物繊維が豊富な種子類は植物性の食事には不可欠ですが、健康的な肌作りのためにも積極的に食べたい食材です。British Journal of Nutritionの研究論文によると、フラックスシードを小さじ1/2杯ほど食べた被験者は、肌の炎症と赤みが6週間で著しく少なくなり、同時に肌の保湿力が高まりました。オメガ3脂肪酸は、肌細胞の健康を保ち、肌の炎症を解消し、健康的な肌バリアを維持するのに効果的です。スムージーやお気に入りのパスタのレシピに、小さじ1/2杯ほどフラックスシードを加えて、食事にスーパーフードを手軽に取り入れましょう。
9. 高脂肪の魚
魚介類が好きな人には嬉しいことに、多くの栄養士は肌の保湿とツヤには、サーモンのような高脂肪の魚を高く評価しています。オメガ3脂肪酸やコラーゲンは、肌の保湿力を保ち、内側からも外側からも肌に栄養を与えてくれます。魚介類は、オメガ3脂肪酸もコラーゲンも豊富です。週に最低でも2回ほどサーモンやマグロのような高脂肪の魚を食べると、乾燥してひび割れた皮膚になるリスクを下げてくれます。また、アメリカ心臓協会からも、最低でも週に2回ほど100gの高脂肪の魚を取ることが推奨されています。さらに言うと、できれば養殖ではなく天然の魚を選ぶようにしましょう。
10. ダークチョコレート
最後に、一番に嬉しいであろう朗報です。ダークチョコレートはデザートなだけではなく、正式な美容食材なのです。ある研究によると、ココアに含まれる抗酸化物質は、早期老化をもたらす酸化ストレスから肌を守ってくれることが分かっています。子供の頃に食べていたあのチョコレートは、実はお母さんにこそ食べてほしいものだったのです（ただし、カカオ75%以上のものを選んでいた時に限りますが）。また、チョコレートに添加された砂糖を出来るだけ避けるためには、カカオ80~90%といった、できるだけ”ダーク”なチョコレートを選ぶようにすると良いです。甘いものへの欲求とPMS症状を解消しながらも、美肌レベルを底上げしましょう。
以上が、美肌作りに食べたい10種類の食材でした。私はこれに加えて、朝には新鮮なフルーツを何種類か食べたり、プロテインドリンクや肉類からもタンパク質を積極的に摂ったり、アーモンドなどのナッツ類や、豆乳やきな粉や納豆などの大豆類を毎日こまめに食べるようにしています。もちろん基本のスキンケアも大切ですが（詳しくは究極のスキンケア「肌断食」で紹介しています）、内側からの健康と美のためには、体内に取り入れる毎日の食事の内容は何よりも欠かせません。
とは言え、あまり難しく考えて食事を制限したり我慢する必要はありません。スーパーに買い物に行く時、今回紹介した食材を頭の片隅に入れておくだけでも十分に効果はあります。楽しく美味しく食事をして、心も身体もハッピーでいられるのが、美肌作りのためには大切です。私も、好きだから、美味しいから、食べたいから、美しく健康でいたいから、毎日の食材を選んで、楽しみながら食べています。
あなたのお気に入りの美肌食材は何でしょうか。
