前回の記事で紹介した、私が先月より始めた自宅トレーニングの「タバタ式トレーニング(別名:タバタプロトコル)」について、今回はその効果とやり方について詳しく解説します。この「タバタ式トレーニング」は、今回のコロナウイルスの影響でジムへ通えなくなってしまった状況はもちろんのこと、トレーニングがしたいけどお金をかけたくない、仕事が忙しくて時間がない、という方にもおすすめしたい自宅トレーニング方法です。
私はこのタバタ式トレーニングを、先月よりコロナウイルスの影響でジムを退会したタイミングで始めて3週間ほど続けてみましたが、こんなに短時間で効率的に自宅で筋トレができるのだと、早くも身を持って効果を感じています。特に私の場合は、これまではあまり意識してトレーニングしてこなかった太腿とお尻周りに効果が出やすいみたいで(これは女性には朗報です!)、最近は毎日じんわりとした心地よい筋肉痛と共に過ごしています。
タバタ式トレーニングとは?
タバタ式トレーニングとは、立命館大学スポーツ健康科学部長の田畑氏が提案したものの当初日本ではあまり広まらず、アメリカでその効果が認められて人気が爆発し、日本に逆輸入されたトレーニングです。
日本語で”タバタ式トレーニング”と調べるよりも、”tabata training”や”tabata protocol”と調べたほうが得られる情報量が多いのは、この逆輸入等の事情からです。タバタ式トレーニングの魅力は「自宅でもできる」「場所や器具がなくてもできる」「たった4分で追い込める」という点で、アメリカなど海外のセレブからアスリートまで幅広く人気です。
”1回4分”の超効率的トレーニングプログラム!
少し専門的な話になりますが、身体には「有酸素性エネルギー(酸素を取り込んでできるエネルギー)」と「無酸素性エネルギー(酸素を使わずにできるエネルギー)」の2つのエネルギー供給機構があります。有酸素性エネルギーは、ジョギングやウォーキングなどの酸素を取り込みながらする運動で鍛えることができ、持久力が上がります。一方で無酸素性エネルギーは、短距離ダッシュやウエイトリフティングなど瞬発的な運動で鍛えることができます。
タバタトレーニングは「20秒の運動と10秒の休息を1セット」として、8セットで疲労困憊に至る間欠運動を行います。「8セット=4分間」と聞くと、「そんなに短時間で効果があるの?」と感じるかもしれません。しかし、田畑教授の研究の結果、4分間の間欠運動によって、大多数の人が有酸素性エネルギーも無酸素性エネルギーも同時にかつ最大に刺激されるということが証明されています。タバタトレーニングは、短時間で2つのエネルギー供給機構を同時に鍛えることができる、超効率的トレーニングプログラムなのです。一説には、タバタトレーニング4分間のトレーニングは、1時間のランニングに匹敵するとも言われているほどです。
タバタ式トレーニングの4つのポイント
① 持久力を高める!
バテバテになるタバタトレーニングの狙いは、有酸素性エネルギーと無酸素性エネルギーを最大に刺激することです。これによって酸素を摂取する量が増え、持久力が高められます。ダイエットに効くというよりは、脂肪を燃焼させるためのジョギングやマラソンをより長く続けられるようになります。目的はあくまで「筋力・持久力・瞬発力の向上」であって「脂肪燃焼」ではありません。もちろん、結果的に筋力が向上することによる2次的なダイエット効果はもちろんあります。トレーニングをするための基礎体力の向上、スポーツの競技力向上と考えて取り組むと良いです。
② どんな動きでもOK!
タバタ式トレーニングは、パターン化されたトレーニングではありません。20秒の運動と10秒の休息を1セットとして、8セットというメカニズムを指し、どんなトレーニングにも応用できます。例えば、自宅でも近くの公園でも自重だけで出来ます。これは日本ではいわゆる「自重トレーニング」と言われる、自分の体の重さを利用する筋トレです。負荷を上げたい人はダンベルを持ったり、バイクマシンを活用しても良いです。ポイントは、疲れ果ててバテバテになるような運動であることです。また、毎回一つの運動を行っているだけでは、同じ部分の筋肉しか刺激されませんし、飽きてしまうのを防止するためにも、様々な種類の運動を組み合わせて多様な筋肉を動かすトレーニングが効果的です。
③ ウォームアップとクールダウンは念入りに行う!
タバタ式トレーニングは疲れ果ててバテバテになるような過酷なトレーニングだからこそ、ケガをしないためにも、ウォームアップとクールダウンのストレッチを十分に行うことが大切です。実際に取り組んでみるとわかりますが、タバタ式トレーニングは非常にきついトレーニングです。1~2ラウンド目までは余裕がある人でも、4ラウンド目あたりからは息が荒くなり、最後の8ラウンド目が終わる頃には疲労困憊で限界です。逆にいえば、そこまで追い込まないと効果が薄いトレーニングとも言えますので、その日の体調や気分でトレーニングの強度を調整して、自分の身体に合った負荷のトレーニングメニューを組み立てましょう。
次の記事では、私が実際に毎日使っている、タバタ式トレーニングのためのおすすめのタイマーアプリ、音楽リストyoutube動画、などを紹介します。特にトレーニング初心者の方には、まずは私のおすすめに沿って始めてみてください。