甘い香りとピリっとしたスパイシーな辛みが特徴のスパイス、シナモン。独特の香りがあるので好みが分かれますが、「世界最古のスパイス」や「スパイスの王様」などと呼ばれ、世界中で愛されています。 シナモンロールにシナモンチュロス、チャイにパンプキンパイと、シナモンが欠かせないデザートはたくさんあります。しかし、シナモンの素晴らしさは甘い香りだけはないのです。漢方薬としても使われてきたというシナモンは、身体にも嬉しい効果がたくさんあります。 今回は、シナモンの効果・効能や、気になる摂取量・副作用、レシピまで、シナモンの魅力について詳しく紹介します。
シナモンとは
シナモンは、クスノキ科ニッケイ属の樹皮から採られる香辛料です。くるくると巻かれた「シナモンスティック」と、パウダー状で容器に入った「シナモンパウダー」がお馴染みですが、シナモンの木の樹皮を剥ぎ取って乾燥させたものが「スティック」、粉末にしたものが「パウダー」です。 日本では珍しいですが、葉もティーにしたり、ハーブのベイリーフのように料理に使ったり、樹皮とはまた違った爽やかで甘い香りが好まれています。シナモンスティックとパウダーは、シリアルやパン、フルーツを使ったスイーツに、また肉料理や煮込み料理、スープの風味付けにと、世界の様々な家庭料理で使われています。
スパイシーで香り高きシナモンは、紀元前3000~4000年もの昔から使用されていたと言われています。「古代エジプトではミイラづくりの防腐剤として使われていた」という逸話もあり、伝統的に薬として使用されてきた長い歴史があるほか、香水の原料や媚薬として利用されたという話も残っています。日本には8世紀前半に、中国産のシナモンが「桂心」という漢方薬として渡来してきたようです。甘く、エキゾチックで、どこか神秘的。 シナモンは昔から世界中を虜にしてきたスパイスのひとつです。
ニッキとシナモンの違い
「シナモン(cinnamon)」は英語の呼び方、「ニッキ(肉桂)」は中国語の呼び方、と言ってしまえば簡単ですが、実はそれだけではありません。「シナモン」と呼ばれて流通しているものの中には複数の種類があり、それぞれ採取された木の種類が違うのです。 主な種類は、スリランカ原産のセイロンニッケイと、中国原産のシナニッケイです。「ニッキ」とは中国原産のシナニッケイが日本に根付いた「ニッケイ」のことで、日本産のシナモンで、甘さより爽やかさ、ハッカのようなスーッとした風味が際立つ香りです。シナモンクッキーと八つ橋の香りを想像してみると、その違いが分かるかもしれません。
セイロンニッケイ (Cinnamomum verum)
スリランカ原産。 「セイロンシナモン」、また学名から「真のシナモン」とも。甘く品のある繊細な香りと言われている。
シナニッケイ (Cinnamomum cassia)
中国原産。「カシア」とも呼ばれる。 濃厚で甘く、スパイシーな香りと言われている。
ニッケイ (Cinnamomum sieboldii)
中国原産、日本育ち。 樹皮の香りは弱く、根の皮が使われる。
ちなみに価格は高価な順に、「ニッキ」「セイロンシナモン」「カシア」です。現在流通しているシナモンの大部分は「カシア」なのだそうです。
シナモンの効果・効能
健康に役立つ多くの効果があるといわれるシナモン。 薬効の幅が広く、さまざまな生薬と組み合わせて漢方薬にもなっています。
抗酸化効果
シナモンには多くのフラボノイドが含まれ、強力な抗酸化効果があると言われています。 クローブやオレガノなど26種類のスパイスとの比較実験では、シナモンが最高の抗酸化作用を示したそうです。 アンチエイジングや生活習慣病の予防効果が期待されます。
抗炎症効果
慢性的な炎症は、長期間にわたって身体を蝕み、がんや動脈硬化、アルツハイマーなどの病につながる可能性があるそうです。シナモンには、抗炎症作用のある複数の成分が含まれ、天然の抗炎症剤として利用できる可能性が指摘されています。
抗酸化作用
「フラボノイド」といわれるポリフェノールの一種がシナモンには含まれており、活性酸素を取り除く働きがあります。 活性酸素は少量であれば人体に有用な働きをしますが、大量に生成されると動脈硬化や老化、免疫力の低下などを引き起こすことがあります。
コレステロール改善効果
シナモンには、HDLコレステロール(善玉コレステロール)はそのままに、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)のレベルを下げる効果があるそうです。 動物実験では血圧を下げる効果も認められ、心疾患予防効果も期待されます。
血糖コントロール効果
シナモンには血糖値を下げる効果があることが知られています。 多数の研究によって糖尿病への効果が証明されており、空腹時の血糖値を下げることが示されています。
血行改善効果
シナモンには血液循環を改善させる効果があります。最近では毛細血管の健康の維持が全身の健康の維持につながると言われていますが、シナモンには、毛細血管を作る働きをする物質を活性化する成分が含まれているそうです。冷え性の改善だけでなく、全身に酸素や栄養を届け、健康を維持する効果が期待できます。
シナモンの1日の摂取量と副作用
実は、流通しているシナモンのうち「セイロンシナモン」と「カシア(シナニッケイ)」は成分が少し異なり、「カシア」の方に多く含まれている「クマリン」という成分は、たくさん摂取すると肝臓の障害につながることがわかっています。「クマリン」は桜餅に使われる桜の葉などにも含まれる成分で、「カシア」についても健康への影響は「比較的長期間にわたり大量摂取しない限り懸念されない」とされていますが、「カシア」を長期的に摂る場合は次の摂取量を守るようにしましょう。
体重60kgの大人…1日当たり2g未満(小さじ1弱) 体重15kgの子ども…1日当たり0.5g未満
一方の「セイロンシナモン」に含まれるクマリンは極めて微量で、通常スパイスとして使用される分量では特に問題にならないようです。シナモンは香りが強いので、実際に小さじ1杯も使うことはなかなかないと思いますが、「カシア」を使う場合は摂り過ぎには注意しましょう。
おすすめシナモンレシピ
シナモンロール、シナモンりんごトースト、シナモンチャイ、手作りホットワインなど、シナモンが欠かせないレシピはたくさんあります。手軽にシナモンを摂るなら、ヨーグルトにシナモンパウダーを振りかけて食べるのがおすすめです。プレーンヨーグルトに、はちみつとシナモンパウダーを振りかけて、バナナやリンゴなどのフルーツを入れても美味しいです。また、シナモンはドリンクに入れて飲んだり、お菓子の香りづけに使ったりするのが定番ですが、煮込み料理の風味付けとして入れても美味しいです。例えば、鶏肉や豚バラの煮込み料理、スペアリブやローストビーフなどを煮込む際にシナモンを入れるのがおすすめです。
私はいつもiHerbでシナモンスパイスミックスを買っています。この2種類は本当におすすめです。シナモンの他に何種類かのスパイスがブレンドされているので、シナモンの独特のスパイシーな辛みがマイルドになって使いやすいです。私はシナモンの刺激的な香りが大好きなので、朝のホットオートミールにたっぷり振りかけて食べています。シナモンの香りを嗅ぐと、朝から気持ちがシャキッと前向きになる気がするので、シナモンは私の朝ごはんには欠かせません。
世界最古のスパイス「シナモン」でいつまでも美しく!
シナモンは世界最古のスパイスと呼ばれ、世界中で愛されています。血流アップや抗酸化作用が高く、美肌づくりやエイジングケアに効果を発揮してくれる優れた食材です。そんなシナモンは、いつまでも美しくありたい女性の強い味方になってくれます。様々な摂り方があるので、シナモンを毎日の生活に上手に取り入れてキレイを目指しましょう!