美容とダイエットには「腸活」が大切というのは、皆さんも知っているかと思いますが、私も日常生活で発酵食品を意識的に摂るようにしています。日本には納豆や味噌、酢、みりんをはじめ、数多くの発酵食品が存在しますが、中でも最近始めてみたのが「甘酒」です。甘くてダイエットにはむしろ不向きそうな甘酒ですが、実は様々な健康・美容効果があるのです。
お米の優しい甘みが美味しい甘酒。起源はなんと古墳時代に遡り、米麹を混ぜて60℃ぐらいの温度で保温し、一晩程度おくだけで出来るため、古くは「一夜(ひとよ)酒」とも呼ばれており、栄養豊富な甘酒は体力回復に効果的ないわば「夏の栄養ドリンク」として、江戸時代から夏の風物詩とされていました。初詣でのふるまい酒や、夏の冷やし甘酒など、今でも私たち日本人にとっては馴染み深い飲み物です。そんな甘酒が、最近その高い健康効果から、「飲む点滴」「飲む美容液」として注目を浴びています。この甘酒の正しい飲み方や選び方、どのような効能があるのかをご紹介します。
甘酒の健康効果
点滴と同じ成分で疲労回復
甘酒に含まれている“麹菌”は栄養の消化吸収を助ける働きがあるので、効率よく栄養を吸収し、エネルギーに変換することができます。酵素がお米を分解してできる成分に、点滴と同じ成分のブドウ糖、ビタミンB群やミネラル、アミノ酸等が豊富に含まれており、疲労回復にはもってこいの飲み物なのです。“麹菌”は善玉菌のえさになってくれるので、免疫活動を活性化させて免疫力を高める効果もあります。
熱中症予防に最適
厚生労働省によると、熱中症を予防するには100mlあたり40~80mgのナトリウムが含まれる飲み物が適しているとのことです。甘酒のナトリウム量は、100mlあたりおよそ60mgです。水分と塩分がバランスよく配合されている甘酒は熱中症予防に適した飲み物と言えるでしょう。疲労回復効果で夏バテ防止にもなり、夏を元気に過ごすためにぴったりです。
便秘の予防・解消
甘酒には、食物繊維やオリゴ糖もバランスよく含まれており、腸内の悪玉菌を減少させ、善玉菌を増やして腸内環境を整える働きがあります。便秘の予防や解消に一役買ってくれます。
代謝を促進して美肌に
ビタミンB群も豊富に含まれている甘酒は、血行と代謝を促進させる効果もあります。血行が良くなると体内の老廃物も排出しやすくなり、“麹菌”に含まれるビオチンは肌荒れ、肌のくすみなどにも効果抜群です。更に、“麹菌”の酵素には抗酸化作用があり、老化予防にもなります。
甘酒の美容・ダイエット効果
先程も紹介したように、甘酒には美容に嬉しい栄養成分のビタミンB群やビオチンを豊富に含んでいます。ビタミンB群やビオチンはコラーゲンの生成を促し、荒れた肌や目のクマ、しみやくすみなどに働きかけて美肌に近づけます。甘酒に含まれるコウジ酸には、メラニンを生成する酵素の働きを抑える効果があり、そばかすやしみなどの予防にもなります。また、甘酒はイライラを抑えるGABAという物質も含んでいるので、ストレスによる肌荒れも抑えられます。さらに甘酒には「フェルラ酸」という抗酸化物質も含まれているため、細胞の新陳代謝を促して肌の老化も防いでくれます。飲むだけでアンチエイジングまでできてしまう、それが「甘酒」なのです。
一方で、甘酒に多く含まれているブドウ糖は、血糖値を上昇させる効果があり、甘酒を飲むと満腹感を感じられます。食前に飲んだり、朝食に置き換えることで、満腹感を感じつつ、豊富な栄養素を体内に取り入れることができます。食事量を減らしても甘酒で栄養分を摂取できるので、比較的安全にダイエットができると期待されています。
私が甘酒を飲むようになったきっかけの商品は、この「茂蔵」オリジナル商品の甘酒です。茂蔵にはいつも無調整豆乳を買いに行っているのですが、ふと見かけて試しに買ってみたところ、美味しくてすっかりハマりました。原材料は米麹と米のみ、常温保存可能で、1回分(30g)が個包装になっているので、衛生的で便利です。お湯や豆乳を加えて飲んだり、ヨーグルトに混ぜたり、トーストに塗ったりして食べられます。私は甘いものが欲しくなった時に、パウチからそのまま食べたりもします。
「米麹の甘酒」と「酒粕の甘酒」の違いとは?
甘酒には、「米麹で作った甘酒」と「酒粕で作った甘酒」の2種類があります。この2種類の甘酒は、作り方だけでなく味や健康効果にも違いがあるのです。
米麹の甘酒
蒸したお米に麹菌をつけて米麹にし、酵素の発酵作用を利用して作る甘酒です。砂糖を加えず、お米が持つデンプンの優しい甘みだけが残るので、飲みやすくカロリーも控えめです。美容・健康効果が期待できるのはこちらの甘酒です。
酒粕の甘酒
米麹をアルコールで発酵させてできた酒粕をお湯で溶き、砂糖を加えて作る甘酒です。アルコールと砂糖が含まれているので、アルコールが苦手な方やダイエット目的の方には不向きかもしれません。
米麹で作った甘酒は、麹菌がデンプンを分解することで生まれるブドウ糖が豊富に含まれており、これが疲労回復に効果を発揮します。酒粕の甘酒には米麹ほどのブドウ糖は含まれておらず、「飲む点滴」と言われているのは「米麹の甘酒」です。健康・美容効果を期待するなら米麹の甘酒、アルコールOKで甘いものが好きなら酒粕の甘酒、と用途によって飲み分けて、買い物する際は原材料をよく確認するようにしましょう。
その他の種類
その他にも、甘酒にはこんな種類があります。是非色々な種類を試して、味の違いを楽しんでみて下さい。
紅麹甘酒
血行改善、血圧調整、コレステロール、血糖を下げる効能があり、「漢方薬」ともいわれる紅麹を使用した甘酒です。色味もほんのりピンクがかって、見た目も美しいことから人気の甘酒です。
玄米甘酒
米麹甘酒は普通の白米と麹で作られているものですが、玄米甘酒はその名の通り玄米と麹のみで作られています。味には独特のクセがありますが、玄米には白米よりも食物繊維・ビタミン・ミネラルが豊富に含まれているので、より健康効果が高いと言えそうです。
古代米甘酒
古代米とは、稲の原種の特徴を受け継いでいる米のことです。黒米、赤米、緑米などがあります。古代米甘酒は甘さが控えめで、玄米よりも多い栄養素が含まれていることから、より一層の健康効果が得られるとして人気です。
甘酒にはアルコール成分が含まれている?
甘酒にはアルコール成分が含まれているか、非常に気になっている方も多いと思います。酒粕を原料とする甘酒には、アルコールはほぼ必ずと言っていいほど含まれています。ただし、アルコール量が1%未満のため、酒類ではなくソフトドリンクとして流通しています。お酒ではないので、もちろん未成年の方も飲むことができます。これは「酒粕が原料の甘酒」についてですが、一方で、「米麹が原料の甘酒」にはアルコール分は含まれていません。酒粕を使わないので、アルコールの入る余地は全くありません。運転の心配をされる方や、お酒の弱い方などには、米麹甘酒がおすすめです。
甘酒の効果的な飲み方
適切な量
甘酒は健康的な飲み物ですが、一日にどれだけ飲んでもいいというわけではありません。1回あたり、50~120ml(おちょこ1杯~コップ1杯分)程度が適量と言われています。また、糖分の摂りすぎを防ぐためにも、1日に飲む量は200ml程度に抑えた方がいいでしょう。
飲む時間帯
甘酒は、飲む時間帯によっても期待できる効果が違ってきます。まず、朝に甘酒を飲むと、甘酒に多く含まれるブドウ糖が脳をしっかり目覚めさせてくれます。これにより代謝が良くなるので、ダイエットにも効果的と考えられます。次に、昼に甘酒を飲むと、ブドウ糖と糖の代謝を向上させるビタミンB1の相乗効果により、脳の働きが活発になり、集中力がアップします。お仕事や勉強の前に飲むのにぴったりです。夜に甘酒を飲むと、1日で疲れた体の疲労回復になります。また、ストレスを緩和するGABAと優しい甘みと香りが心を癒し、体を温めることで安眠効果が期待できます。
甘酒を飲む時の温度
甘酒を飲む時の品温は60度くらいがベストと言われています。この60度というのが、甘酒に含まれている酵素がも最も作用する温度です。市販の甘酒は加熱処理(火入れ)が行われているので、酵素はほとんど含まれないそうですが、手作り甘酒などは酵素が豊富に含まれているので、酵素が活発に活動する60度くらいに温めて飲むのが良いそうです。
甘酒は手作りが最も効果的
手作りで作られた甘酒を生甘酒と言います。出来立ての生甘酒は米麹の成分が最も多く生きていて、体に活動のエネルギー源として吸収されます。甘酒で最も大切なのは菌の力です。賞味期限を長持ちさせるために殺菌・消毒されている市販品では、甘酒の菌の力を取り入れることはなかなかできません。甘酒の力を最大限に生かしたい場合は、やはり手作りが一番です。
炊飯器で絶品甘酒の作り方
保温機能のある炊飯器やヨーグルトメーカーがあれば、たった2つの材料で簡単に手作りの甘酒を作ることができます。
〈材料〉
米麹:300グラム
お湯(60度位):300~350グラム
炊飯器に米麹と、同量よりちょっとだけ多めの60~65度くらいのお湯を加えます。70度を越えるとせっかくの体に良い酵素が死んでしまうので、お湯の温度は、温度計を使ってしっかり計ります。一度蓋を閉めて保温ボタンを押します。蓋を開けて濡れ布巾をかけ、濡れ布巾を挟んで蓋をして、重石をのせます。炊飯器の保温の状態は、大体60~65度くらいになるように設定されていますが、濡れ布巾を挟まないでカチッと普通に蓋を閉めて保温すると、中の温度が70度以上になってしまうこともあるので、濡れ布巾を挟んで蓋を下ろして、蓋がパカッと上がらないように、蓋の上に重さのあるものを乗せて保温します。長めの温度計を差した状態で濡れ布巾をかけておくと、温度をこまめに確認しやすいです。
60~65度くらいを保ったまま3~4時間保温しておくだけで、ぽってりと甘い美味しい甘酒が出来上がります。芯がなく、甘みが出ていれば完成です。ちなみに5~6時間保温するという方法もあり、温度だけ注意しながら保温すれば、3時間保温よりも甘みが増すそうです。時間のある時に、自分好みの甘さの甘酒のレシピを探してみるのも良いです。
冷蔵庫で1週間保存できますが、たくさん作ってゆっくり食べたい時は、製氷皿に入れて冷凍保存がおすすめです。冷凍すれば、2ヶ月くらい大丈夫だそうです。冷凍しても体に嬉しい酵素は活動をお休みしているだけなので、また温めると活動を始めます。ただし、解凍する時に温めすぎないように注意する必要があります。
おすすめの飲み方は、甘酒と豆乳を1:1~2を小鍋に入れて、温度計をさして、60度くらいまで温めます。60度はちょうど心地よい温かさで、体もしっかり温まって、甘くて美味しいです。好みでジンジャーパウダーやシナモンパウダーを加えて、ジンジャー(シナモン)甘酒豆乳にあするのもおすすめです。
皆さんも是非、甘酒を毎日の食事にプラスαで取り入れて、夏バテ知らずの健康な身体と美肌で夏を乗り越えましょう!