スクワットは最も便利で、自然と身体が引き締まることで日常生活の活動パフォーマンスを上げてくれる、機能的な全身エクササイズです。勘違いしがちですが、スクワットは何もボディービルダーや重量挙げ選手向けに限ったエクササイズではありません。スクワットは年齢に関係なく、特定の器具を使う必要もなく、身体を引き締めたい人なら誰でもどこでもいつでもすぐに取り入れられる、超万能な全身エクササイズなのです。
私たちはすでに日常生活の中でも、靴紐を結ぶために屈んだり、床から荷物を持ち上げたりする時、実は無意識にスクワットをしているのです。それだけスクワットは私たちにとって自然な動作のエクササイズなのです。日常動作の中で無意識に行なっているスクワットと、トレーニングとして行うスクワットとの唯一の違いは、トレーニングでは効果を得るために意識的に正しい姿勢を取って行うという点です。スクワットのエクササイズは、ウェイトを加えても加えなくても行うことができます。どちらでも効果は得られますが、ウェイトを加えると身体全体の筋肉量をより増やすことができます。ただしウェイストを加えて行う際は、ケガをしないために必ず正しい姿勢で行うことが大切です。
スクワットで得られる12個の効果
1. 身体全体に筋肉が付く
イメージ通り、スクワットで得られるのはきれいな引き締まった脚だけではありません。全身に筋肉が付きやすくなるスクワットは、脚だけでなく身体全体の筋肉量を増やす効果があります。大腿四頭筋、ハムストリング(裏腿)、ふくらはぎ、腹部、腰背面、お尻も鍛えることができます。あらゆる筋肉を同時に鍛えることのできる、まさに超万能エクササイズです。
2. カロリーが効率的に消費できる
スクワットをすると身体全体の筋肉量が増えるので、カロリーをより効率的に燃焼させることができ、引き締まった体型に近付きやすくなります。いつものスクワットに更にウェイトを加えれば、さらに効率的にカロリーを燃焼させることができます。
3. 柔軟性が高まる
柔軟性を高めるエクササイズやストレッチは、幅広いトレーニングプログラムに組み込まれています。腱や靭帯の筋肉は加齢とともに伸縮しにくくなるので、その進行を止めるための柔軟エクササイズは効果的です。スクワットは脚の筋肉を伸ばしたり縮めたりする動作の繰り返しなので、毎日のエクササイズに何セットか組み込むことで柔軟性が高まります。
4. 可動域とバランスを保つことができる
特に年齢を重ねると、程よく筋肉のついた丈夫な脚は全身のバランスを保つためにとても大切です。そこで脚を強化するたけでなく、体幹を鍛えながら筋肉を付けることのできるスクワットは、全身のバランス強化に有効なエクササイズです。スクワットで鍛えられた筋肉が全身のバランスを保つために働きかけてくれることで、脳と筋肉の間の伝達が活発になり、転倒を防いでくれます。
5. 肺と心臓を強化する
スクワットする時の動きは、心筋を強化して肺容量を増大させます。ウェイトを加えると更に効果的です。
6. ケガを予防する
競技やトレーニング中のほとんどのケガの原因は、靭帯や結合組織、もしくは補助的な筋肉(動きに直接関わる筋肉が本来の力を発揮するために、身体を支えて安定させる筋肉)によるものです。スクワットはこれらの補助組織を強化することで、ケガの防止につながります。ただし、スクワットを含めどんなエクササイズをする時も、ケガを防止するためには正しい姿勢で行うことが重要であることを覚えておきましょう。
7. 関節を強化する
スクワットの動きはお尻と膝と足首を同時に使うため、筋肉を増やすだけでなく、関節を強化します。
8. 骨を丈夫にする
荷重負荷エクササイズのスクワットは、筋力全般を強化します。これは若い人はもちろんのこと、骨密度の低い高齢者にも有益です。骨が丈夫になると、ケガの防止にもつながります。
9. ジャンプ力とスピードが上がる
四肢が強化されることで、身体本来の持つ力を発揮する能力が上がり、競技中のスピードとジャンプ力が上がります。特にテニスをする人にはおすすめです。
10. 姿勢が改善する
体幹と脚が鍛えられると、自然と姿勢も改善します。姿勢は背中とお腹の前後の筋肉で支えられて作られ、相互に働きます。ただし、必ずスクワットとストレッチを組み合わせるようにしましょう。
11. 消化力が循環力を高まる
意外と知られていないスクワットのメリットの一つに、消化力と循環力の向上があります。脚の筋肉を鍛える時、より多くの酸素と栄養が体内の臓器へと送り込まれることで、体内を巡る血液や体液の流れるスピードが高まります。そうすると、消化に関わる小腸の動きの効率も上がります。
12. 日常生活の質と身体能力が高まる
これらのスクワットのあらゆるメリットによって、座った状態から起き上がったり、物を持ち上げたり、といった日常動作が自然と楽になります。これは特に年齢を重ねると大切です。またスクワットをすると、動きが俊敏になり、持久力も上がるので、有酸素運動や下半身を使うスポーツに向いています。
正しいスクワットのやり方とおすすめツール
他のエクササイズと同様に、スクワットのメリットを最大限に活かし、ケガを防止するためには、正しい姿勢で行うことが大切です。正しいスクワットのやり方を紹介します。
- 両足を肩幅に開いて立ち、両足を平行にします。
- 両手を腿に添えて、顔は前に向けて、お腹を上げます。
- 膝を曲げて、踵に重心を乗せて、少し後ろに座るようにします。
- 両膝がつま先の前に出ないように、腰は後ろに倒れないように、頭は前に上げたまま、姿勢を保ちます。
- この姿勢を3〜5秒間キープします。
- 体勢を持ち上げ、踵から地面をしっかりと押し、お尻を引き上げながらスタートポジションに戻ります。
- この動きを10〜20回繰り返します。まずは1週間に2〜3回のペースから始めましょう。
私はジムをやめて自宅トレーニングをするようになってから、スクワットは毎日欠かさず行なっています。出勤前の朝の時間にいつも5分程度行うのが日課です。緊急事態宣言の時に運動不足解消のために始めて、もうかれこれ8ヶ月ぐらい続いています。最初の頃は、タバタ式トレーニング用のアプリを使って回数とインターバルを測りながら、2kgのダンベルを両手に一つずつ持ってスクワットしていました。少しウェイトを加えることで、ブレやすい上半身が安定して体幹が強化され、腹筋と背中にもダイレクトに効きます。詳しくは「自宅で1回4分の筋トレ【タバタ式トレーニング①】」の記事で紹介しています。
最近はこのYouTube動画を流しながらスクワットしています。この動画はスクワット100回と言っても、様々なバリエーションのスクワットの動きが次々と出てくるので、飽きることなく楽しいです。動くスピードと長さがちょうど良くて、脚が疲れる手前で終わるので、毎日のトレーニングとして行うのにぴったりです。また、動画の中で出てくる掛け声とBGMがノリノリで楽しいので、スクワット初心者にもおすすめの動画です。
私はどちらかと言うと、お腹や上半身よりも先に、太ももとふくらはぎに余分な脂肪と肉が付きやすい体質なので、下半身に効くスクワットは効果覿面でした。スクワットトレーニングを始めて1ヶ月ぐらいで効果が目に見えて分かり、8ヶ月続けた今は、肉と脂肪でプルプル揺れていたふくらはぎはキュッと引き締まり、太ももは一回り細くなりました。脚に筋肉が付いてから一番に嬉しいことは、一日中の立ち仕事で浮腫みやすかった脚が、全く浮腫まなくなったことです。また、腹筋にも力が入るようになり、お腹と背中周りにも筋肉が付きやすくなりました。
皆さんもスクワットを毎日の日課に取り入れて、何歳になっても引き締まった健康的な身体作りをしましょう!
※本記事は英語版Urban Fitness Solutionsから翻訳され、加筆しています。