台湾の食べ歩きグルメと聞くと、揚げ物や肉汁たっぷりのグルメがまず思い浮かぶかもしれません。しかし、もう少しあっさりしたヘルシーなものを食べ歩きたい時におすすめなのが、薄いクレープ生地でたっぷりの野菜やお肉を包んだ台湾グルメ「潤餅」です。「潤餅」は台湾の惣菜系クレープで、台湾式春巻きとも言われています。薄いクレープ状の生地にモヤシやキャベツなどの茹で野菜と、チャーシューや豆干や肉鬆などを春巻き状に包んだものです。潤餅は基本的に屋台形式で売られていて、朝食や軽食の一つなので、市場の近くや夜市でよく見かけることができます。野菜不足になりがちな観光中の栄養補給にもぴったりです。
今回紹介する【阿静の潤餅】は、台中第二市場の中山路を進んで柳川河道のすぐ側にある、定番の潤餅を味わうのにおすすめの人気店です。店内のイートインスペースのない屋台ですが、バイクで買いに来るお客さんが多く、ヘルメットを被ったまま注文の列に並んでいる人が多いです。注文を捌くスピードが早いので、並んでいてもさほど待ちません。
潤餅のお店はだいたいどこでもお肉入りのものと、素食(ヴィーガン)の肉なしのものがあります。メニューに素食が表記されてないお店でも、注文時に「素食にしてください」と言えば、素食仕様の肉なしのものを快く作ってくれます。台湾は宗教上素食の人が多いので、こういう選択が当たり前にできるのが嬉しいです。私もお肉を控えたい気分の日には素食を選ぶこともあります。ここは素食は原味(オリジナル)と芥茉(マスタード)の2種類、葷食(肉あり)は原味、芥茉、辣味(スパイシー)、瘦肉(脂なしチャーシュー)、無糖、低熱量(低カロリー)の6種類があり、どれを選んでも全て45元(=約135円)です。
注文は口頭なので、種類と本数を伝えましょう。中国語が分からない場合は、指差しや文字を書いて注文しましょう。台中第二市場周辺は観光客が多いので、ほとんどのお店の人も外国人対応に慣れているので安心してください。こういう屋台形式のお店では、前の人の注文を作りながら次の注文を聞いてくることも多いので(同じ注文だと効率的にまとめて作るため)、2人手前ぐらいになるまでには注文内容を準備しておきましょう。
【阿静の潤餅】は老闆のお姉さんのイラストが目印、袋にもばっちり印刷されています。この日は原味を1本買ったのですが、袋はずっしり重いです。注文が入ると、薄い生地の上に野菜などの具材を次々とのせて1本ずつ丁寧に豪快に巻いていくのですが、かなりの野菜の量が入っているため、きれいに巻くのにも技がありそうです。店先にはざく切りの野菜やお肉などの具材が山盛りに並べられ、次々と手際良く生地の上にのせていく光景は圧巻です。目の前で自分の注文した潤餅が瞬く間に出来上がっていくのを見るのも楽しいです。
生地は、クレープの皮とも春巻きの皮とも異なり、米粉でできた皮で巻いています。クレープより薄い生地ですが、柔らかくて食感はモチっとしています。一本がかなり大きくてぎっしりと中身が詰まっていますが、具材が漏れないようにきっちり巻かれています。ナイフなどで切らず、そのままガッツリかぶりつきましょう。ぎっしり中身が詰まっているので、袋に入れた状態でしっかり掴みながら食べることも大切です。しっかり掴んでないと、油断すると具材がこぼれ落ちます…!
中にはキャベツ、白菜、ニンジン、モヤシ、乾燥椎茸、乾燥豆腐、肉、揚げパン、ピーナッツ粉、パクチーなど10種類以上の新鮮な食材が入っています。これは米粉の皮に合わないはずがありません。それぞれの食材の相性がばっちりで、ピーナッツ粉とパクチーが全体の味のアクセントになっていて、甘みも塩味も一度に感じられる複雑な味わいです。だいたいどこのお店でも最後に塗るかどうか聞かれますが、好みでマスタードやワサビを追加すれば、更にここに辛みが加わって最高です。油で揚げたり焼いたりしているわけではないので、さっぱりしていてヘルシーです。中の具材の水分で皮が程よく柔らかくモチモチになるので、少し時間を置いてから食べると、更に全体的に味と水分が馴染んで美味しいです。
皮のモチモチ感、野菜類のシャキシャキ感と揚げパンのザクザクとした食感、ホロホロの柔らかいお肉など、色々な食感が一度に楽しめるのでクセになる美味しさです。栄養満点で程よくお腹に溜まるので、小腹が空いた時や朝ごはんにぴったりです。潤餅と豆乳の組み合わせの朝ごはん、なんて最高ですね。
こちらはまた違う市場内の潤餅専門店です。2人作業で皮を並べてその上から順番に具材をのせて、手際良く次々と潤餅が出来上がっていきます。ここは5~6本まとめて買っていくお客さんが多く、「1本は〇〇抜きで、2本は〇〇抜きで」と細かく注文を伝えているのを見かけました。もし苦手な食材があれば、カウンターに並んでいる具材を指差して「これは抜きで」と伝えるのもOKです。ただし、台湾人はフレンドリーなので「この具材を抜きにすると美味しくないよ〜」と教えてくれることもよくあります(笑)。潤餅の皮はお店の手作りのものがほとんどなので、自分好みのお店を探索してみるのもオススメです。
ここの潤餅は葉野菜とキュウリも入っていて、チリソースで味付けしたタイ風テイストでした。お店によって中の具材の種類も味付けも全く違うので、色んな潤餅の食べ比べも楽しいです。台湾人は美味しいお店はどんなに並んでも食べる文化があるので、行列ができているお店は間違いない美味しさです。台湾ではネットでのクチコミ評価やレビューよりも、実際に人が並んでいるかどうかで判断した方が正しい場合が多いです。
ぜひ皆さんも台中の食べ歩きに、【阿静の潤餅】でボリュームたっぷりの潤餅を食べて見てください!
阿静の潤餅
- ジャンル:台湾料理
- エリア:台中市中區中山路
- 住所:台中市中區中山路255號
- 電話:(+886) 0422293022
- 営業時間:9:00-19:30
- 定休日:毎月第二、第四日曜日
- 交通:台中第二市場の中山路を進み、柳川河道のすぐ側
- Homepage:https://0422293022.webnode.tw/