台中第二市場グルメ⑥・肉汁たっぷりの牛肉おやきとモチモチ葱油餅【鄒氏餡餅葱油餅】

皆さんは「葱油餅」は食べたことはありますか。台湾の小吃(おやつ)を語る上では絶対に欠かせない！と私は思っているほど、大好きな台湾のローカルフードの一つです。小麦粉で作った生地に油とネギの細片を具として塗り込み、巻いたりひねったりしてから薄く伸ばして焼いた、薄い層が重なったパイのような構造のモチモチ生地です。屋台の商品として売られていることが多く、似たものは「葱抓餅」とも呼ばれていて、お店によっては蛋(卵)や九層塔(台湾バジル)や玉米(トウモロコシ)などの具材を一緒に挟み込んで焼くこともあります。小腹が空いた時のおやつにぴったりで、学校帰りの中高生が買って食べているのをよく見かけます。

台湾の街中ではわざわざ探さなくてもそこら中にある葱油餅の屋台ですが、今回紹介する【鄒氏餡餅葱油餅】の葱油餅は他のお店とは一線を画した美味しさです。台湾で数え切れないほどの葱油餅を食べてきた私も、これは美味しい！！と一口目で感動しました。【鄒氏餡餅葱油餅】は台中第二市場の三民路の入り口、以前に紹介した【王記菜頭粿糯米腸】の真向かい、人気老舗ティースタンド【老賴紅茶】の隣にあります。とんでもなく行列のできる超人気店に挟まれた小さな屋台ですが、両店舗の人気に負けることなく何年も続いています。

メニューは蔥油餅(ネギ入り餅)、牛肉餡餅(牛肉のおやき)、豬肉餡餅(豚肉のおやき)の3種類です。日本語と英語と韓国語も表記されているので、メニューの看板を指差して注文しましょう。

油を引いた大きな鉄板でジュージューと焼いています。注文を受けてから一つずつじっくりと両面を焼いていくので、注文してからしばらく待ちますが、それだけ焼き立ての美味しさです。先に注文を伝えたら、お店の側で焼き上がるのを待ちましょう。

こちらは蔥油餅 (25元=約75円)です。ここの蔥油餅は生地が厚めで、表面はカリッと、中はもっちりふっくらしています。パイのように薄い層が重なった生地なのに、こんなにふっくらと仕上がるのが不思議です。通常の蔥油餅はもっと薄めの生地で、噛むと油がジュワッと出てくるものが多いですが(それはそれで美味しい)、ここの蔥油餅の生地はふんわりモチモチで、油っこさもなくて食べやすいです。中には青ネギがたっぷり練り込んであり、シンプルで素朴な味がクセになります。手のひら2枚分ぐらいの大きさの生地を二つに折り畳んで紙袋に入れてくれるので、かなりのボリュームがありますが、あまりの美味しさにペロッと食べれちゃいます。これでたったの25元だなんて、最高です。

ここの一番人気メニューの牛肉餡餅 (35元=約105円)です。メニューの日本語訳では牛肉のおやきと表記されていますが、これはおやきを遥かに超えた美味しさです。同じくおやきで豚肉入りの豬肉餡餅 (30元=約90円)もあります。熱々の焼き立てを手渡されるので、手で持つ時は十分に注意してください。最後に辛いソースをかけるかどうかも聞いてくれるので、好みでかけてもらいましょう。

たっぷりの油を引いてカリッと表面を焼き上げた生地の中には、肉汁たっぷりの牛肉がぎっしり詰まっています。一口目で中から肉汁が勢いよく飛び出ることがあるので気を付けてください。食べてるそばからも肉汁がどんどん溢れ出てくるので、紙袋の中でしっかり掴みながら食べましょう。焼き小籠包を食べてるのではないというぐらい熱々の肉汁がたっぷり入っているので、口の火傷に注意！牛肉はしっかり味付けされていて、漢方の香りがほんのりします。硬めのサクサクの生地と柔らかい牛肉が最高に合います。出来立てが一番美味しいので、買ったらすぐに熱々の状態でかぶりつきましょう。

蔥油餅と牛肉餡餅を一度食べれば、ここが人気店の理由がすぐに分かります。隣の【老賴紅茶】で紅茶を買って、セットで食べ歩きするのが定番なので、台中第二市場の散策にぜひ食べてみてください。