日常生活に欠かせないコンビニですが、皆さんも台湾へ旅行に行く際にもコンビニへ立ち寄ることがあるかと思います。私は海外へ行く時は現地のコンビニに立ち寄るのが楽しみの一つなのですが、特に台湾のコンビニは他の国と比べ物にならないほどサービスと商品が充実しています。初めて台湾のセブンイレブンに立ち寄った時は、これまでどこの国のコンビニでも体験したことのないあまりの充実ぶりに感動したのを覚えています。
台湾のコンビニの多くは、日本でもお馴染みの7-11(セブンイレブン)と全家(ファミリーマート)の2つ、続いてOK Martと萊爾富(Hi-Life)の2つもたまに見かける、といった感じで合計4つのチェーン店で占められています。台湾のコンビニも日本と同じく24時間営業です。特に台北や台中の都心部では、日本と同じくらいの頻度でコンビニを見かけます。100メートルに一軒は必ずコンビニがあると言われているコンビニ大国の台湾ですが、一説には人口あたりのコンビニ軒数も世界一なのだそうです。今回はそんな台湾のコンビニを皆さんに紹介したいと思います。中でも私が台湾のコンビニで一番好きな冷蔵ドリンクコーナー、それも豆乳好きにはたまらない豆乳・乳製品ドリンクコーナー(というのがあるのです!)を詳しく紹介します。
コンビニの豆乳ドリンクコーナー
台湾のコンビニで飲み物を買おうとすると、あまりの種類の豊富さに迷ってしまうこと間違いなしです。中でも私が台湾のコンビニが好きな理由の一つが、写真のようにずらりと様々な植物性ミルクのドリンクが並ぶ冷蔵コーナーです。これ全部、豆漿(豆乳)と米漿(ライスミルク)と燕麥(オーツミルク)のドリンクなのです!宗教の関係で素食(ヴィーガン)の人の割合が多い台湾ですから、もちろんコンビニでもこうして植物性ミルクの選択肢が多いです。
さらに台湾では、コンビニでもスーパーでも牛乳は豆乳の約2倍の値段、豆乳→飲むヨーグルト→牛乳の順に値段が高くなるので、コンビニでも豆乳ドリンクが1番身近なのも納得です。飲むヨーグルトも日本よりも種類豊富です。日本では飲みきりサイズの小さい瓶のヤクルトも、台湾では200〜300ml入りボトルのビッグサイズで販売しています。ヤクルトに牛乳がミックスされた牛乳味だったり、イチゴ味やアロエ果肉入り緑茶風味のヤクルトもあります。下の写真の最下段に並んでいるのはヤクルトと飲むヨーグルトです。
ちなみに台湾のドリンクは台湾人に嗜好に合わせて基本的に甘く作られていて、豆乳にもお茶にも砂糖が入っていることが多いので、コンビニでもスーパーでも甘くないドリンクが欲しい時は、無糖と表記されているのをしっかり確認してから買うようにしましょう。もともと台湾では豆乳の風味を際立たせるために砂糖は欠かせないものと考えられていましたが、近年の健康ブームやダイエットブームにより無糖や低糖タイプを選ぶ人が非常に増えたため、現在は無糖や低糖や無調整タイプの種類も豊富です。
コンビニでよく見かける「米漿」とは?
ところで皆さんは「米漿」という飲み物は知っていますか。翻訳するとライスミルク、その名の通りお米が原材料となっている植物性ミルクです。日本ではまだあまり馴染みがないですが、台湾では早餐店(朝ごはん屋さん)で豆漿(豆乳)と並んで売られていることが多く、朝ごはんの定番メニューです。台湾のおすすめ朝ごはん①ふわふわあったか豆乳スープ【鹹豆漿】ではしょっぱい鹹豆漿を紹介しましたが、こちらは甘党さん向けの温かい飲み物です。
独特のとろみと甘みがあり、ほんのりと香るピーナッツの香ばしい風味がアクセントです。早餐店では、豆漿と同じように温めた大鍋からお椀に注いで提供されることが多く、とろっとした口当たりと濃厚な甘さが朝から身体に染み入ります。米漿と豆漿を半分ずつで割るというツウな飲み方もあり、ストレートで飲むよりもすっきりと飲みやすくなります。私はこのハーフ&ハーフの飲み方が一番好きです。米漿は外国人、特にピーナッツ好きなアメリカ人がハマることが多く、「朝は豆漿よりも米漿派!」という声もよく聞きます。
【光泉】の米漿シリーズ
早餐店に行かなくても、手軽に買えるコンビニやスーパーでよく見かけるのは【光泉】というメーカーの米漿です。「光泉」は台湾で有名な乳製品を主に取り扱う飲料メーカーで、牛乳やヨーグルトなどの乳製品以外にも、豆漿や米漿、お茶やジュースやスイーツなども開発している大きな会社です。公式YouTubeチャンネルもあり、こちらは今回紹介する米漿のCMです。
見かけたことのあるミルクの種類だけでも、鮮乳(搾りたてミルク)、木瓜牛奶(パパイヤミルク)、西瓜牛奶(スイカミルク)、蜂蜜牛乳(ハチミツミルク)、布丁風味牛乳(プリン風味ミルク)、緑豆沙牛乳(緑豆ペーストミルク)、蘋果牛乳(リンゴミルク)、巧克力牛乳(チョコレートミルク)、果汁牛乳(フルーツミルク)など、驚くほど種類豊富です。台湾のドリンクスタンドはかなり自由にカスタマイズできることにも通じますが、とりあえず何でも混ぜてみたら美味しいかもしれない、という台湾人の遊び心がミックス牛乳の種類の豊富さから伺えます。
CMの原味米漿(オリジナルライスミルク)です。パッケージにはピーナッツのイラストと共に、Rice Milk(ライスミルク)と書かれています。
烤花生(ローストピーナッツ)と米粉が入っています。香ばしいローストピーナッツの香りが口いっぱいに広がり、米漿特有のとろっとした口当たりが幸せな気分になります。早餐店で飲む米漿はほとんどが温かいですが、このまま冷たく飲んでも美味しいです。私はよく大学へ行く前にコンビニで買って、授業中にストローで直接飲んでいました。
こちらは黃金豆米漿(大豆ライスミルク)です。ピーナッツと黃豆(大豆)と米粒のイラストと共に「黃金比例・豆米混漿」と書かれています。
烤花生(ローストピーナッツ)と米粉に、さらに黃豆が入っています。米漿と豆漿を半分ずつで割って飲む、あのツウな米漿の飲み方をまさに再現したドリンクです。原味の米漿よりも甘さが控えめで、口当たりもサラッとしています。こちらもローストピーナッツの香ばしさが美味です。
薏仁糙米漿(ハトムギ玄米ミルク)です。名前に入っている薏仁(ハトムギ)と糙米(玄米)の材料からして、いかにも健康に良さそうな組み合わせです。
米粉、糙米粉(玄米粉)、烤花生(ローストピーナッツ)、黑芝麻粉(黒ゴマ粉)、薏仁(ハトムギ)が入っています。大粒の薏仁がそのまま入っていて、プチプチとした食感を楽しむことができます。薏仁が入っていることで食べ飲み応えがあるので、朝ごはん代わりにもオススメです。
【桂格(QUAKER)】のオーツ麦ミルク
日本ではほとんど見かけることのない、白髪のおじさんのトレードマークが印象的な【桂格(QUAKER)】ですが、台湾では定番のオートミールから各種栄養補給ドリンクまで、様々な商品ラインアップをコンビニやスーパーで見かけます。コンビニの植物性ミルクのコーナーには必ず、このように桂格シリーズのボトル入りのオーツ麦ミルクが各種並んでいます。どれも一本30元(=約90円)です。
ちなみに写真にも写っているように、指定のドリンクに1元(=約3円)追加するだけで茶葉蛋(台湾のコンビニの定番の煮込み卵)が1個付いてくるというキャンペーンもコンビニではよくやっているので、購入する際にはキャンペーン表示のチェックもしてみてください。
燕麥堅果王、英語でNUTS OATSと大きく表記されていますが、直訳するとオーツ麦ナッツ王です。オーツ麦とナッツが大好きな私が食い付かずにはいられない名前です。すっきりとしたボトルのサイズ感も持ち運びしやすく、出先で小腹が空いた時にオススメです。
オーツ麦と各種ナッツを粉砕した粉が入っているのでお腹に溜まる満足感があり、砂糖無添加なので、罪悪感なく飲めます。とろみのある滑らかな口当たりで、ナッツの香ばしい香りが口いっぱいに広がります。オーツ麦とナッツの自然な甘さを活かしたシンプルな味なので、米漿はちょっと甘すぎるという方にもオススメです。こんなに美味しくて健康的で手軽に買えて、桂格のオーツ麦ドリンクシリーズは日本にも近いうちに進出してほしいです。
台湾のスーパーの動物性・植物性ミルクコーナー
最後は番外編として、台湾のスーパーの動物性・植物性ミルクのコーナーを少し紹介します。近所のスーパーの冷蔵コーナーの一角を撮影したものなのですが、これ全部が豆乳と牛乳とヨーグルト飲料なのです!台湾のスーパーでは、豆乳と牛乳は日本と同じ紙パック(約1リットル)もありますが、取っ手付きの大きなボトルに入ったガロン単位(約3.8リットル)もあります。台湾は3世帯の大家族で同居していることが多いからか、それとも朝からしっかり朝食を食べる文化があるからか、スーパーで見かける買い物客もだいたいガロン単位で買っていきます。私も豆乳は毎朝欠かさず飲むので、台湾ではいつもガロン単位で購入していました。
こちらは私の家での朝ごはんセットです。左は燕麥(オーツ麦)、右はナッツやスーパーフードを粉末状にしたミックス粉です。台湾では昔から燕麥(オーツ麦)を日常的に食べる文化があるので、スーパーでは様々なメーカーの燕麥が売っています。右のミックス粉というのは、先程の桂格のオーツ麦ミルクのいわゆる素になる粉で、台湾のスーパーには色んな種類のものがあります。
細かく粉砕した各種ナッツ、ゴマ、チアシード、きな粉などが一包ずつ個包装になっていて、忙しいけどちゃんと栄養バランスの良い朝食を食べたい時にとても便利です。お湯や牛乳や豆乳に溶かしたり、ヨーグルトに混ぜても美味しいです。こういう商品が日常的に売られているのは、さすが台湾人の全体的な健康意識の高さが感じられます。私は台湾に住んでいる頃からこれを毎朝摂るのがすっかり習慣化してしまい、日本に帰ってからも自分でオリジナルの材料を混ぜ合わせた、スーパーフードのミックス粉を作ってヨーグルトに混ぜて食べています。
スーパーにはびっくりするほど豊富な種類の豆乳が売っているので目移りしてしまいますが、シンプルな豆漿を味わいたいならば、無糖・無塩の無調整豆漿を探しましょう。中でもこの「大醇豆豆漿」が一番オススメです。濃厚な搾りたての新鮮な大豆の風味がして、シンプルに美味しいです。この他にも私は、光泉の無糖の「黑豆鮮豆漿」という黒豆で作った豆乳をよくガロン単位で買っていました。黒豆の皮のほんのりグレー色をしていて、普通の大豆よりも特有のクセが少なくて飲みやすいです。黑豆漿(黒豆の豆乳)は日本では見かけないので、ぜひ台湾で見かけたら飲んでみてください。
今回は台湾コンビニでの、私の大好きな植物性ミルクの充実ラインアップ【豆漿・米漿・燕麥奶】について紹介しました。皆さんもぜひ台湾のコンビニに立ち寄る際には、日本のコンビニでは見かけない米漿や燕麥奶を飲んでみてください。次回は更に台湾コンビニの魅力を紹介しますので、お楽しみに!